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最強マフィアの仕事術

マイケル・フランゼーゼ(著)




今日、「面白い本があるので読んでみて下さい」と言われ、お借りした本。


「最強マフィアの仕事術」というタイトルから強烈で、本屋で目にして、

少し立ち読みしたことはあったが、買ってはいなかった。


読み始めると面白く、30分ほどで読めた。


著者のマイケル・フランゼーゼは、暗黒街の顔役、アル・カポネの再来と呼ばれたイタリア系アメリカンマフィアである。

ニューヨーク5大ファミリーの1つ、コロンボファミリーに所属、複数のビジネスで70〜80年代の絶頂期には週に数百万ドルを稼ぎ、

雑誌「フォーチュン」の特集「マフィア幹部トップ50」で上位ランクイン、”最年少マフィア幹部”(当時35歳)として有名になる。


しかし80年代半ばに複数の恐喝罪の罪を認め、懲役10年の判決を受け、ファミリーと縁を切る。

現在は、マフィア時代の体験を人々の役に立てることを使命に、講演活動を行っている。


本書は、そんな元トップマフィアが成功ルールを、

マフィア時代のエピソードを散りばめながら、マキャベリとソロモンの言葉を

引用して語られている。


現役時代は、マキャベリの教えにならいその当時の彼が考えていた”成功”を掴んだが、

マキャベリの教えにならったもののパターンとして、窮地に落ち(逮捕)、

塀の中で出会ったソロモンの教えに出会い、マフィアとは縁を切って本当の成功を手にしたと

している。


自分にとっての成功を考えるべき、ビジネスに成功の秘訣はない、努力が必要、

会議や交渉のポイント・・など、どれも他の本で読んできた内容が多い。


しかし、それらの本と変わっているのは、著者のバックグランドと

マキャベリとソロモンを引き合いに出している点だ。


マキャベリの「君主論」は読んでいるが、正直実生活、実ビジネスへの応用は性に合わず、

あくまで”これを読んで、このような考えを持っている者が周りにいる”という認識の為に

読んだ。


ソロモンについては、旧約聖書を読んだことはあるが、

その「箴言」というものについては、きちんと読んだり人生の成功を考えるという

視点で見たことがなかったので、なかなか興味深かった。


以下、メモ。


------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


■マイケルの父ソニー・フランゼーゼも、マフィア(アンダーボス *後述)


■ビジネス書に登場する成功者(莫大な資産を築いた実業家)の多くには共通点がある。

 親から莫大な資産を譲り受けているということ。

 そんな「成功の秘訣」を鵜呑みにはできない。


 ドナルド・トランプ、石油王J・ポール・ゲッティ、ハワード・ヒューズ、ビル・ゲイツ・・

 皆、親や祖父母が資産家で事業や資産を受け継いでいる。


■目標を定め、計画を立てろ。これが基本中の基本だ。


・きちんとした計画を立てるためには”計画書を書くこと”

・計画にないものに手を出さず、立てた計画そのものに問題がある場合を除き、

 計画に沿った行動を取るべきだ。


■早起きしてハードに働け。パジャマ姿で殺されるな。


・マフィアで大成するものは、夜明けとともに行動を起こす。

 しかしメイドマンの多くは夜型を好む。だから大成できるのはごく一部。

 マイケルも何時に床についても、ニワトリが鳴くとともに起きて仕事をし、

 1日15〜18時間仕事をした。

・成功者に共通することはハードワーク、つまり”努力”。

 しかし、「努力すること」に夢中になってはいけない。


■自分のすべきことに集中しろ


・優秀なメイドマンは物事をシンプルに考える、そしてさっさと要点に入る。


■信頼できる人物を選んで、仲間に引き込め


・選ぶ際のポイント

 1)誠実であるかどうか

 2)有能であるかどうか

 3)頼りになるかどうか


■客観的にアドバイスできる”相談役”を身近におけ


■マキャベリの教えはマフィアの思想そのものだ


・イタリア人である、ということもあるし、

 思想がマフィアにとって理想的。

 「君主論」はマフィアにとってのバイブル。


・「誰のどんな行動も、結果によって判断される」

・「残酷で非情な行為を繰り返さないために、一撃でしとめるべし」

・「軽い傷を負わせただけでは仕返しされる恐れがある。

  攻撃するときは、復習される心配がなくなるまで徹底して攻めるべきだ。」

・「ダメージは一撃で与えよ。相手の苦しみは減り、反撃もされにくい。

  恩恵は少しづつ与えよ。そうすれば、ありがたみを長く味あわせられる。」

・「愛されるよりも恐れられるほうが安全である。」

・「領土を獲得したいなら、周辺の国を味方につけ、敵を特定するべし」

・「君主に、戦う以外の目的は不要である。」


■マキャベリの教えは”諸刃の剣”だ


・マキャベリの教えに従ってビジネスを展開し成功したマフィアは、

 まず間違いなく失脚する。


■人々を恐怖心で統制し続けることはできない


・「君主論」を読んだ企業幹部や経営者がとくに重用するのが次の一節。


 「ダメージ(=値上げやリストラ)は一撃で与えよ。

  相手の苦しみは減り、反撃もされにくい。

  恩恵(=昇級、ボーナス、その他の特典)は少しずつ与えよ。

  そうすれば、ありがたみを長く味あわせられる。」


・フォードがアメリカ有数の大企業になれたのは、ヘンリー・フォードが

 マキャベリの教えに従ったからだと言われている。

 マフィアがアメリカで一世紀近く生き延びて栄華を極めることができたのも、

 マキャベリが教える権力の獲得と維持の仕方を忠実に守ってきたことが大きい。


・マキャベリの教えは、人々に恐怖心を植え付けて忠誠を誓わせる。

 しかし、恐怖心で統率された組織は、いつか必ず内部から崩壊する。

 策略、不信、裏切りが生まれる状況をつくるからだ。


■欲にかられると本当に大切なものが見えなくなる


・マキャベリの教えに従って、「手段を選ばずより多くを得て維持すること」を

 ビジネスの本質と考えると、本当に大切なものや最優先すべきことを

 見失ってしまう。


■本当の成功を手にしたいなら、ソロモンの教えに学べ


・旧約聖書の「箴言(しんげん)」

 古代イスラエルの王ソロモンの格言を集めたものだが、

 ビジネス、特に不景気なときの経営に関する教訓の宝庫。


・「箴言」の冒頭には、同書を記す目的が次のように書かれている


 「知恵と規律を身につけるため、

  見識の高い言葉を理解する力をつけるため、

  規律ある堅実な人生を手に入れるため、

  正しいことを公正かつ公平に行うため」


■ソロモンの教えは、マキャベリの教えの数々を真っ向から否定している


・マキャベリは、道徳を説いても現実には役に立たないと考えていた。

 道徳を守らない人は現実に大勢いるのだから、統治者が「善人」であり続けていては

 権力が弱まるばかりだ、というのが彼の主張。


 君主に必要なのは道徳を守ることではなく、状況に応じて「善を捨てられるようになること」、

 すなわち時に不誠実になること。

 必要とあれば、嘘をつく、盗む、騙すなど何をしても、そうせざるを得ない状況だったと

 その行為を正当化すればよい。


・一方、ソロモンは、事業の成功には誠実さ、高潔さ、勤勉がカギだと唱える。

 ソロモンは、個人や会社の強固な土台となる考え方を教えてくれる。


■おしゃべりな奴は大物になれない


・「愚か者の唇は口論を招き、その口は暴力を招く」

 「自分の唇を警戒するものは自らの命を守る。軽卒に口を開く者は身を滅ぼす。」

  ソロモン

・交渉では、先に相手に情報を喋らせて情報を集めろ

 「話を聞かないうちに答えることは、無知の証であり恥としれ」


■マフィア流の会議術「シットダウン」から交渉の極意を学べ


・マフィアの世界での正式な話合いの場

 シットダウン(座って話そう)


・相手から望む言葉を引き出せば交渉は成功


・交渉に必要なのは準備、そして経験


・マフィア流交渉の極意

 1)銃に弾を込めておけ

  交渉前の準備

 2)口ではなく頭を先に使え

  相手の好きに喋らせておけば、つけ込む隙が生まれる

 3)自分のエゴを捨てよ。相手のエゴを利用せよ

  面と向かって教えをこう姿勢を見せると、「こいつは格下だ」と思って

  気を許すので、油断させておいて機を見て斬り掛かる。

 4)弱気になっているときほど、弱気を見せるな

  口数を少なく

 5)感情を持ち込むな。常に相手に敬意を払え。

  メイドマンは無礼な態度を絶対に許さない。だから決して相手を侮辱しない。


■失敗はいつか成功するためのものだ

 何度失敗しても健康ならまた挑戦できる


■法律を守れ、税金はきちんと払え、仕事は誠実にしろ。


■マキャベリかソロモンか、あなた自身の師を選べ


・多くの仲間がいなくなった、それはなぜか?

 「不当に利益を求める者の末路は決まっている。

  彼らの命は必ず奪われる。」

  ソロモン


・マキャベリとソロモン、両方を選ぶことはできない。


 マキャベリは「目的が手段を正当化する」という考え方のもと、

 事業を大きくするためなら何をしても許されるとしている。

 つまり、ソロモンの教えに従うのも、人の道を外れるのも自由だ。


 ソロモンは、成功には自分の価値観や誠実さが何よりも大切だと説き、

 それらを曲げることを決して許さない。


 つまり、両者の教えにならおうとすれば、結局はマキャベリの教えにならうことに

 なるのだ。


■本当の成功とは?

 自分のとっての成功を定義せよ


・カネを稼ぐことに夢中になっている間は、人生を楽しむ機会が奪われる

 成功=金持ちになることという固定観念から自由になれたら、

 もっともっと収入を増やさなければならないという重圧から解放される。

 家族、友人、日々楽しいと思えるかどうか。


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<本書に出てくるマフィア用語>

・メイドマン

 マフィアの正式な構成員

・ドン

 No.1

・アンダーボス

 No.2、暴力団の若頭に相当

・コンシリエーレ

 顧問、相談役

・カポ

・ソルジャー

#ファミリーに入れるのは同郷の者だけ

| BOOKS | 00:30 | comments(0) | trackbacks(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

できるポケット+ Evernote

 『できるポケット+ Evernote』





Evernoteの解説本。

iPhoneの定番アプリにして、世界200万ユーザーの人気サービス「Evernote」が
ついに日本語対応! パソコンのメモが自動的にiPhoneに、iPhoneで撮影した写真が
自動的にパソコンに。

デバイスを超えて“同期”する、紙にはできない新しいメモのスタイルを体験して
みてください。本書ではWindows/iPhoneに対応したEvernoteの基本的な使い方や
上手な情報整理術に始まり、Web ページを取り込む、iPhoneできれいに名刺を
撮影する、紙の資料をスキャンする、デジタルカメラの写真を自動的に取り込む
など、多彩な活用方法を紹介。あなたの知的生産能力アップを応援します。


本書を買うと、PDF版をダウンロードでき、それを自分のiphoneに
とりこむことができます。
外でリファレンスを確認したいときに便利そう。

PC、モバイルなど複数のデバイスでも同じ情報を見れると
いう点では、メモをGmailに投げていたのですが、
iPhoneを購入した時からEvernoteも使ってます。

PCでは利用していなかったので、PC用クライアントソフトも
ダウンロードして使ってみたいと思います。
| BOOKS | 21:48 | comments(0) | trackbacks(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

岩崎弥太郎と三菱四代

 『岩崎弥太郎と三菱四代』






岩崎弥太郎・弥之助兄弟を中心に、その子供たちを含む三菱四代を題材にした史話。

恥ずかしながら、TVドラマ「龍馬伝」で岩崎弥太郎のことを初めて知りました。

坂本龍馬も勿論魅力的ですが、個人的に泥臭いエネルギッシュさが際立つ
岩崎弥太郎がとても気になっていたところ、本屋で目に入って購入。

土佐藩地下浪人という低い身分から、大言壮語ともとれる言葉を吐き続け、
遂にはその言葉通り、一代で日本の海運業を制覇した、その生き様は興味深い。


-------------------------------------------------------------------------------------

■少年時代の弥太郎

 「三国志」や「水滸伝」などの英雄が活躍する歴史書や講談を
 読みあさり、そうした書物に感化されて事故を英雄視し、
 「将来自分は、世の中に名を成すだろう」と
 公言するようになった

 「治世の能吏、乱世の姦雄になるのが、自分の夢だ」など、大言壮語を吐いた。

 偉人の多くが少年期を過ぎてからも、弥太郎のように大風呂敷を広げ続けている。
 平然と周囲に大言壮語を吐いている(龍馬も大言壮語の癖があった)。

 大風呂敷を広げるだけでなく、誰よりも勉強した。
 夜が更けると、行灯の明かりの下で必死に机に向かっていた。

■人脈

 郷廻の役についていた時代、漢学者、蘭方医、西洋砲術家、唐通詞(通訳)、
 清国やオランダ、英国の商人などに接触をはかった。

 このときの人脈が、後に土佐藩から長崎の土佐商会の経営をまかされた際、
 役立った。

 大志を抱いている幕末の若者たちは、できるだけ多くの人間とコネクションを
 つくっておくべく積極的に動いた。
 自分の尊敬する著名人のもとにアポなしで出向くことを、幕末の志士はよく
 やっている。
 格段に身分の異なる大名や公卿に、事前の断りもなく面会を求めるのは、
 当時は珍しいことではなかった。

 龍馬の勝海舟との出会いも、アポなしの押しかけがきっかけ。

■英雄、色を好む

 遊郭の女に入れ込み、藩から至急されていた公金に手を出してしまった一面も。

■わずか3年で岩崎家を再建

 土佐勤皇党が権力を握った藩庁で、栄達する道をあきらめたが、
 今度は岩崎家を富豪にすべく動き出す。

 安芸川の荒地の開拓をはじめ、たった1年で一町もの田畑を切り開き、
 開墾のさい、洪水の被害から新田を守る堤も構築。
 綿栽培を行い、官有林を伐採し、薪炭をつくって商人へ卸した。
 こうしてわずか3年の間に岩崎家は再建された

■はったりで信用を得る

 交渉術が見事。

 接待費を湯水のように使い、外国商人や長崎奉行所の役人たちを酒と女で
 篭絡してしまう。

 外国商人に対しては、自分が有力者であるかのごとく演出。

■龍馬の描いた夢を実現

 大政奉還決定後、新政府の発足前、閣僚の人選の際に龍馬は土佐藩の代表に
 自分の名前を入れず、西郷隆盛に理由を問われたところ、
 龍馬は「世界の海援隊でもやりましょうか」と答えたという。

 「世界の海援隊」は、一説には
 龍馬は新政府に入らず、海運会社や商社を立ち上げ、世界をまたにかけて
 活躍したいと考えていたのではないかという。

 そんな龍馬の描いた夢を、弥太郎はそれからわずか10年で実現。

■徹底的なサービス戦略

 政府の支援を受けた日本国郵便蒸汽船会社ができた当時、
 三菱商会はとうていそれに対峙できる力は持ってなかった。
 
 しかし、それからたった1年で、肩を並べるほどに急成長。

 理由は、徹底的なサービス戦略。
 「自分たちが士族であることを忘れろ」と厳命。
 まずは格好から入り、前垂れの着用を命じた。(前垂れは承認の格好)

■自分を漢の高祖にたとえる

 政府が三菱に海運業を一任しようと考えた際、
 すべてを弥太郎に一任することに不安だった前島密が
 「海運の実際に関して全く素人であるが、この重責をまっとうできるか」
 と聞いた。
 その際、自分を部下をよく統率する能力を持つ漢の高祖にたとえ、
 前島はその言葉に感激する

■常に国家を考える

 国家のために列強諸国に制圧されていた海運事業の回復を目指した。
 国家目的に立った為政者的見地から、事業を経営した。

 実は福沢諭吉の影響が大きく、「西洋事情」をはじめ福沢の著書を読み、
 福沢のとなえる実業立国という考え方に共鳴していた。
 いつしか両者は親交を深め、弥太郎は慶応義塾の卒業生を大量に三菱社員と
 して採用するようになった。

■第4の策まで考える

 「およそ事を計画するにあたっては、上中下三策を用意すればよいと
 いう考え方は、まだ十全でない。もしその三策が皆外れたならば、
 もはや如何ともしがたいであろう。故に余は、更に第四の方策を考慮して、
 あらゆる場合に備えることにしている」

 豪胆な反面、意外に慎重であり、神経質と人から評される一面も。

■堅実な経営

 経費を無駄にしたり、会社を私物化させるのを絶対に許さず、
 常に目を光らせていた

 弟が領収書を白紙に貼り付けていたのを、怒鳴りつけて
 使い古しの紙を使った場合と、全社で幾らちがうか計算させた話も。

■人材教育と人材登用術

 当時は超エリートであった大卒や外国人を多く採用。
 学校を創立して人材を育成。

■弥太郎の壮絶な最期

 幅広い交際のなかで、毎晩浴びるように外で酒を飲んだといい、
 それが胃をむしばんだのか、胃痛から胃癌となった。

 癌による胃痛と吐き気に苦しみながらも
 共同運輸との戦いに屈する姿勢を見せず、頻繁に部下に経営状況を
 報告させ、自ら指示を下した。
 側近は、一日40回も弥太郎の命令で本社と別邸の六義園を往復して
 連絡にあたった。

 最期の日、堂々たる遺言を告げ、息を引き取った。

■温厚沈着でありながら策士の2代目、弥之助

 弥之助が社長についてからわずか8ヶ月で三菱海上王国は霧散。
 しかし陸の三菱社を創業し、多角的経営展開をし、数年で強大な組織に
 した。

 政治に関心のないそぶりを見せながら、相当深く政治に介入している。
 政府から排除されることのないよう、さまざまな政治家と緊密な関係を
 持とうと努力した。

■寡黙な三代目、久弥、理想的社会主義者、小弥太

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帯には、
「カネと女を使い ハッタリで成り上がった男の 経営哲学」
とキャッチーなコピーがありましたが、決してそれだけでは
ありませんでした。

常に国家を思う志と、ある種のコンプレックスをバネとした成功への
執念ともいえる物凄いエネルギー、またそれを実現するための
徹底的なサービス戦略や金を締めるところとかけどころの見極め。

ますます岩崎弥太郎という男が好きになりました。
| BOOKS | 20:47 | comments(0) | trackbacks(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

IA100 ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計

 『IA100 ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計』

長谷川 敦士 (著)




コンセントの長谷川さんが書かれた、IA(情報アーキテクチャ)に
ついての本。

お会いしたことはないのですが、以前私の会社のディレクターが、
複数社で開催した「IA交流会」に参加した際の話を聞いたことが
あったので、買いました。

IAについてのトピックが100個おさめられています。

特に目新しいものはなかったのですが(御本人もブログでそう書かれていますが)、
パラパラと読むとIAの全体像がつかみやすいと思います。

文章も、オライリー本などに比較すると、平易な言葉使いで
図版が多いので、読みやすいです。

私としては、こんな本↓のIA版みたいなイメージを受けました。

『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』


永田 豊志 (著)



| BOOKS | 23:39 | comments(0) | trackbacks(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

ぼくらの頭脳の鍛え方

『ぼくらの頭脳の鍛え方』

著・立花隆 佐藤優





本の帯には、
「知の巨人」と「知の怪物」による
ブックガイドとある。

「知の巨人」である立花隆氏は、
何回かお見かけしたことがあるし、
父の本棚に、氏の著書が何冊かあったので、
「知の巨人」だということは小さい頃から
何となく知っていて、幾つかの著作を読んだ。

「知の怪物」である佐藤優氏は、
週刊東洋経済での連載等を読んでいて、
毎回面白いと思っていた。

本書は、そんな二人が必読の教養書400冊を
対談形式で挙げていくものだというので、
買いました。

なぜその本をピックアップしたか、
本を題材にした二人の話を読んでいるだけでも
とても面白いです。

「真の教養は解毒剤になる」など。

読みたい本が、結構ありました。
今後の読書計画に加えたいと思います。
| BOOKS | 23:03 | comments(0) | trackbacks(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント

『世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント』




Webプロデューサー、Webディレクターは必読。

今まで、プロジェクト・マネジメントの本は何冊か読んできたのですが、
有名なこの本を読んでいなかったので、改めて読んでみました。

本は分厚いですが、平易な言葉使いで書かれているので
読みやすいです。

アマゾンのレビューでも書かれていましたが、
「プロジェクト・マネジメントは簡潔を旨とすべし」
など、コラムとして散りばめられている言葉は
時々思い返したい言葉でいっぱいです。

辞書的に置いておいて、時々読み返したい本ですね。

本書から抜粋して、新人の教育のために使おうと思っていた
WBS、ネットワーク図、スケジュールの関係性についての
メモを、以下ご紹介します。


-------------------------------------------------------------------------------------

■プロジェクトの計画と実行にはWBSとネットワーク図の
 両方が必要


・まずWBSをつくり、それからネットワーク図をつくる

 ※WBSをワーク・パッケージレベルまでしっかりつくる

 ※ネットワーク上で作業の分解レベルを変えたら、
   WBSにも変更を加える等、両者は整合性をとること


■WBS

・WBS
 作成目的:プロジェクト作業を洗い出す

  プロジェクトの作業をマイルストーンごとに階層構造で示す
 これにより、予算や資源の配分を決める

 #ワークパッケージレベルに落とせているか?
  (ワークパッケージとはひとまとまりの単位であり、
  具体的で測定可能な成果物があるもの)、
  抜け・漏れはないか?を実際の作業者に確認
  することが重要

  ワーク・パッケージは、プロジェクトをマネジメント可能な
  単位に分解する方法である

  従って、ワーク・パッケージの進捗を監視すれば、
  プロジェクトの進み具合を評価・コントロールする
  ことができる。

  また、プロジェクト完成のために必要なスキルが明らかと
  なり、どの作業に何人の要員が必要かを数量的に
  把握できる
  (必要に応じて、スキル要件表をつくる)



■ネットワーク図

・ネットワーク図
 作成目的:作業の前後関係と並行関係を明らかにし、
 最適な順序を決める

 各作業の依存関をマッピングする
 これにより、スケジュールが作成できる

・Microsoft Projectなどのソフトウェアを使う前に、
 まず紙の上に大雑把に書き出してみるとよい

・ネットワーク図を活用すると、納期やコストがオーバーする
 確立が抑えられることが、多くの研究からわかっている

・ネットワーク技法は3種類
 プレジデンス・ダイアグラム法
  #本書で解説。中規模程度のプロジェクトではこれがわかりやすい
 PERT
  #ソフトウェア系プロジェクトに向く
  CPM(クリティカル・パス法)
  #建設系プロジェクトに向く

・PERT/CPMでは、作業を"アクティビィティ"といい、
 マイルストーンを"イベント"という

 アクティビィティとイベントを表すのには
 AOA(アクティビィティ・オン・アロー)
 AON(アクティビィティ・オン・ノード)
 の2つの方法がある


■スケジュール

・予期せぬ遅れを吸収するため、10〜15%程度の予備期間を
 計画に織り込む
 個々の作業の所用期間は水増しせずに、総所要期間を対象
 とする

・スケジュールの主な書式

 カレンダー
  #小規模プロジェクトを数多く実施する場合
 ガント・チャート
  #ネットワーク図と併用する
 マイルストーン・スケジュール
  #詳細情報を盛り込んでいないので、現場のマネジメントには
   使えないが、経営陣などへの報告用に適している

・クリティカル・パス
 プロジェクトの開始から終了までをつなぐ経路の中で
 所要時間が最長となる経路
 クリティカル・パスの作業のどれかが遅れると、
 プロジェクト全体も遅れる

・フロート(スラック)
 開始期日を多少遅らせてもプロジェクト全体の終了時期の
 遅れにはつながらないもの

・ネットワーク図をつくれば、クリティカル・パスは簡単に見つける
 ことができる。
 各経路ごとに作業の所要時間を合計すれば、
 最長の時間を必要とする経路がわかる。この経路がクリティル・パス
 である
 #プロジェクト・マネジメントソフトを活用する

・負荷を可視化する
 「要員負荷ヒストグラム」を使う

・所要時間の短縮のために行う手法
 クラッシング
  #ヒト・モノ・カネを追加投入すること
 ファースト・トラッキング
  #前後に実施することになっている複数の作業を並行して行うこと
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| BOOKS | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

物理学と神

『物理学と神』
池内了(著)






<内容(「BOOK」データベースより)>

「神はサイコロ遊びをしない」と、かつてアインシュタインは
述べた。

それに対し、量子論の創始者ハイゼンベルグは、サイコロ遊びが
好きな神を受け入れればよいと反論した。

もともと近代科学は、自然を研究することを、神の意図を理解し、
神の存在証明をするための作業と考えてきたが、時代を重ねるに
つれ、皮肉にも神の不在を導き出すことになっていく。

神の御技と思われていた現象が、物質の運動で説明可能となった
のだ。

しかし、決定論でありながら結果が予測できないカオスなど、
その後も神は姿を変えて復活と消滅を繰り返し、物理学は
発展し続けている。

神の姿の変容という新しい切り口から、自然観・宇宙像の現在
までの変遷をたどる、刺激的でわかりやすい物理学入門。


「物理学」の変遷の歴史と、「神」とにこんな関係性があったとは。
もともと近代科学とは、神の存在証明が起点だったのですね。

初めて知った、刺激的な内容でした。

著者の池内了氏は総合研究大学院大学の教授。

歴史的に物理学者は「神」や「悪魔」をレトリックとして使って、
物理法則の美しさを称えたり、難問を考え出してきた。

また、物理学者は、悪魔の名を借りて「常識」に挑戦し、
物質世界の法則を徹底させ、自ら神に挑戦する悪魔と
なったのだという。

宇宙はなぜこのようにあるのか?
など、面白くて考えさせられます。

以下、メモ。

----------------------------------------------------------------------

・ローマ教会から世俗領主へ、そして絶対王政になり
 絶対王政の虚構が暴かれ・・・という
 時代の風潮が、本来、社会や政治と独立しているはずの
 自然科学にも影響を与えていた。

・ラプラスの悪魔

 ラプラスは、公転運動を開始した惑星軌道が永久に安定で
 あることを、天体力学の美しい公式によって証明したので
 有名。

 ニュートンの力学を使えば、今観察している物質すべての運動の、
 過去も未来も隈なく知ることができる、と考えた。

 だとすると、この宇宙の始まりも終焉もすべて力学の法則によって
 完璧に支配されており、神はそれを傍観しているのみの存在で
 しかなくなり、神は不要となる。

 ラプラスの悪魔とはサイエンティストそのものといえる。
 ラプラスは、悪魔の名を借りて科学者が神を上まったと
 宣言した。

・マクスウェルの悪魔

 マクスウェルは電磁気学を集大成した「マクスウェル方程式」
 で有名。
 (電磁気学はニュートン力学と並ぶもう一つの重要な
 古典物理学。電気と磁気の統一は現代の電気の時代を
 招来させる原動力となった)

 マクスウェルの悪魔は、分子運動論の研究の中で提案された。

・永久機関と錬金術(アルケミー)

 いずれも、天上の大宇宙と地上の小宇宙の対応を念頭に置いて
 いる。
 月より上の世界と下の世界を区別したアリストテレス流の
 二元宇宙論にその源を発したのだが、地動説の勝利に続く
 普遍的一元宇宙論が主流になるにつれ思想的根拠を失い、
 科学者によって最後の息の根を止められた。
 (錬金術はニュートンも凝ったといわれる)

・宇宙の熱死

 神が創った宇宙がやがて熱地獄となりすべての天体が消滅
 するというのは、真に神に反逆した悪魔の登場かもしれない。

・パラドックス

 私たちに、思い込みによる間違いを気づかせてくれる神の
 役割をする場合があるとともに、真実などないのだと不可知論に
 陥らせる悪魔の役割をする場合もある。

・カオスと複雑系

 原子や電子のようなミクロ世界の物理法則は、
 ニュートン力学のように粒子の位置や速度が完全に決定できず、
 その確立しか計算できない。

 つまり、神はサイコロをふって粒子の行く末を占っているらしい。

 また、日常のマクロの世界では、ニュートン力学を使いながらも
 ほとんど未来(結果)が予測できない。

 その典型が天気予報。
 天気予報のような問題を「カオス」と呼ぶ。

 カオスが生じるのは、その系がさまざまな要素が多重に入り
 混じって構成されており、要素一つ一つの効果はわかっていても
 それらが組み合わさって起こる物理過程が複雑すぎて効果が
 予測できないから。

 一般に、このような系を「複雑系」と呼ぶ。
 複雑系を特徴づける一つの言葉が「バタフライ(蝶々)効果」。

 まったく予測できない偶然やゆらぎが現実世界を支配している。
 神は、偶然のルーレット遊びにのめりこんだ真の賭博師なの
 かもしれない。

・カオスは混沌ならず

 各粒子の軌道を追っていくうちに、奇妙な誘導体(ストレンジ・
 アトラクター)と呼ばれる場に必ず立ち寄る、という規則性が
 発見された。

 そこに近づいてきた粒子の軌道パターンが良く似ている。

 賭博に明け暮れているかに見える、神からの何らかの
 メッセージなのか。
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プロジェクトファシリテーション

『プロジェクトファシリテーション』
白川 克 (著), 関 尚弘 (著)






この本は、これからも折に触れて何回か読むことになるだろう。
何がしかの「プロジェクト」に携わっている人には、
とても勇気づけられる本だ。

この本を読んだのは、あるお客様から薦めて頂いたのが
きっかけ。

本書の副題は、「クライアントとコンサルタントの幸福な物語」。

古河電工の人事業務のBPRプロジェクトに関わった
クライアント側である古河電工の方と、
コンサルタント側であるケンブリッジ・テクノロジー・
パートナーズの方が、プロジェクトを振り返って
交互に文章を書くというスタイルで、語られます。

(ちなみに、この交互に書くというスタイルは、
あのエニグモさんの本「謎の会社、世界を変える」が
ヒントとのことです。)

非常に困難なプロジェクトを、やり遂げたチームのストーリー。
胸が熱くなりました。

amazonでの評価も高く、レビューを見ると、
「ビジネス書を読んで、泣いたのは初めて」というコメントを
書かれている方も。

単純にプロジェクトファシリテーションのノウハウだけが
書かれているのではなく、時系列で書かれているので、
どういう文脈でどういったことを考え・実行すべきなのか、
がとてもわかりやすいです。

プロジェクト後にこうやって一緒に本を書ける関係性を
築けたことは素晴らしいですね。
カバー裏の、著者二人で並んだ笑顔も、その関係性を物語る
自然な笑顔で、とても素敵です。

なお、このブログの冒頭に書かせて頂いた、本を薦めて頂いた
お客様のプロジェクトに今、携わらせて頂いています。

明確なビジョンがあり、求めるものは高く、長期の
非常にエキサイティングなプロジェクトです。

改めて、気が引き締まる思いとともに、こういった関係性が
築けるように全力を尽くしたいと思いました。

プロジェクトは難しい。けれども楽しみながら。



以下、メモ。



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■プロジェクトは難しい

・新しいことを、新しいやり方でやるのがプロジェクトだから。
・いくらプロジェクトのプロフェッショナルだったとしても、
 何回やっても、やっぱりプロジェクトは難しい。
・イチローの言葉
 「今年はバッティングが簡単に思えた瞬間があった。
 でもシーズンが終わってみれば、やっぱり難しいままだった」

■反常識のプロジェクト

1)リーダーがスーパーマンじゃないとプロジェクトは失敗する
 →普通のミドルによる変革プロジェクト

2)事件や対立の乗り越えてプロジェクトを成功に導く
 →対決が起きないプロジェクト

 ・本当にカッコイイのは火事を出さずにゴールに到達すること
 ・抵抗勢力は最後まで現れなかった。
  現れないように、手を尽くしたから。

3)すみずみまで管理しないと、プロジェクトは破綻する
 →監視せずに管理するプロジェクト

 ・よくいえば権限委譲、悪くいえば放任だった
 ・本来であればスケジュールなどのプロジェクト管理に責任を
  持つべき立場だったが、社内説明会や業務手順の検討などに
  追われ、手がまわらなかった。
  だから、綿密な工数見積もりやスケジュールはこの本には
  出てこない。
  キーワードは「自主性」と「ピンチの共有」

4)プロジェクトは辛く、厳しい
 →楽しいプロジェクト

 ・「Have Fun!」(楽しくやろうぜ!)
 ・違った文化を持ちつつも、価値観を共有する仲間がいる楽しさ。
  苦しい中、少しずつ自分たちが描いた絵がかたちになっていく
  のを見る楽しさ。

当たり前のことを、当たり前じゃないレベルでやり切る

・コミュニケーションが重要、というがやり切れているか?
 説明会は230回、会議は2300回

・当たり前のことを愚直に遂行するための考え方が
 「プロジェクトファシリテーション」と
 「コンサルタントとのパートナーシップ」

コンペはプロポーズ

・ロジック・実績・情熱

 「こうすればプロジェクトはうまくいきます」という論理。
 「これまでこういうプロジェクトを成功させてきました」という実績。
 「あなたと添い遂げたい」という情熱(意気込みと顔付き)。

■なぜなぜ分析で真の原因を「見える化」する

■名は体を表す

・強い思いを込めて、プロジェクト名をみんなで決める

■混乱期を飛び越して、素早く良いチームになるための方法

・チームのルールやお互いの弱点を率直に語り合う
 「ノーミング」という会議

■フリップチャート(大きな紙)を使う

■聞いたことはその場でプロジェクトに投影しながら資料に
 まとめていき、翌日には資料を完成させる

■会議は緊張をほぐしてから

・アイスブレーク

■ファシリテーター、フリップチャート、ノートテイカーの3名体制

■FM(ファンクショナリティマトリクス)

1)機能要件を洗い出して一覧にする
2)一つ一つの機能に重要度(High、Medium、Low)を付けるための
 基準をつくる
3)基準に従い、High、Medium、Lowを付ける
4)それぞれの機能をいつ作るかを決める

■「ちゃぶ台返し」を防ぐために

・いったん広げて絞る(バージェンス・モデル)
 1回まな板に乗せて、きちんと検討され、それが後から見て
 わかるかたちになっていれば、理不尽な反対はできない

■会議に大事なこと「プレップ(preparaction)」

 ・目的地
 ・参加者
 ・どのように登る?
 ・服装、道具

■「俺たち、ドリームチームだ」

■ブラックボックスは早く開けろ

・プロジェクトで大きなリスクになりそうなことは、
 早めに調査だけはしておけ。対応は後回しにしてもいいから。

■自分の成功=お客様の成功

■プロジェクトファシリテーションとは

・協調のプロセスに積極的に介入し、組織・人材の力を引き出す
 ことで、プロジェクトを全体最適なゴールへと導くこと

・プロジェクトマネジメントとどう違うか?
 プロジェクトファシリテーションは、通常のプロジェクト
 マネジメントを補強する関係にある。

プロジェクトのファシリテーションは
 会議のファシリテーションから

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先制型プロジェクト・マネジメント

『先制型プロジェクト・マネジメント』
長尾 清一(著)






プロジェクト・マネジメントに関する誤解の打破と、
実用のための具体的スキルとツールが書かれた本。

少し前に読んだ本ですが、大変参考になりましたので
御紹介します。

サイト「プロジェクトマネジメントOS本舗」を運営する
好川さんも、「日本で一番よいプロジェクトマネジメントの書籍」
と推薦されています。


#好川さんの「戦略講座」に参加させていただいたことも
 ありますが、こちらの講座もとても参考になります。

PMBOKの知識を、どう実際のプロジェクト・マネジメントに
活かすかが、具体的に書かれています。
現場でメンバーと交わす会話での例なども多く、わかりやすいです。

システム開発に携わる方が主な対象だとは思いますが、
Webプロデューサー、Webディレクターにもオススメです。

ただ、EVMによるバリアンス分析などは、本書でも述べられている
とおり、主観が入ってしまうWeb制作のデザイン作業などに
当てはめるのは難しいです。

見積もりも、プログラムと違いファンクションポイント法では
算出できませんし。

その場合、どうやるのか?という具体例は、本書には書いていない
のですが、冒頭で述べられているとおり
”プロジェクト・マネジメントには「正解」がない”ので
今後、組織として考えていくことが必要だと思いました。

以下、メモ。


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■プロジェクト・マネジメントの7つの誤解

1)プロジェクト・マネジメントには成功につながる「正解」が
 存在する

 →安易に「正解」に依存するのではなく、自主的に先制的な
  行動理念で問題解決に望む姿勢が必要

2)プロジェクト・マネジメントを強化すればプロジェクトは
 成功する

 →プロジェクトは、プロジェクト・マネジメント以前の受注
  段階で、勝敗が決まっていることが多い。
  プロジェクトの立ち上げや契約締結プロセスも重要。

3)プロジェクト・マネジメントのフレームワークを構築すれば
 プロジェクトの生産性が向上する

 →フレームワークを通して人の意識を変え、結果として企業文化を
  どう変革するかが重要。

4)詳細なプランを用意すればプロジェクトの成功が約束される

 →プラン通り忠実に実行できるというのは幻想。
  小さな乖離にとらわれて最終目標を見失わないように。

5)PMBOKを学習すれば有能なプロジェクト・マネジャーになれる

 →PMBOKには「What」は記載されているが「How」「Why」の
  詳細には手が届いていない。
  PMBOKで得られるのは単なる知識。

6)PMP資格者を増やせば組織全体のプロジェクト・マネジメント
 スキルが向上する

 →PMP試験合格はあくまで出発点

7)プロジェクト・マネジメントの経験を積めば
 プロジェクト・マネジメントスキルが向上する

 →ベテランは経験を過信し、プロジェクトの特性や新規性を深く
  分析することなく、すでに持ってる知識だけでプロジェクトを
  理解できると考えてしまう


■プロジェクト・マネジメントの全体像

以下の4つのUnit、15ステップに分かれる

Unit1)企画フェーズ
 1)プロジェクトの分析

Unit2)プランニングフェーズ
 2)WBSの構築
 3)リソース・プランニング
 4)見積り
 5)スケジューリング
 6)リスクプラン
 7)契約締結管理

Unit3)実施、コントロールフェーズ
 8)ベースライニング
 ベースライン(基準計画)を設定し、維持管理していく作業。
 スケジュール、コスト、中間成果物の完成基準、
 最終成果物の品質基準、プロジェクト・スコープ(WBS)に対して
 設定
 9)進捗管理(報告・レビュー)
10)バリアンス・コントロール
 コスト・スケジュール・品質面でベースラインと実績を
 比較検討。バリアンス(差異)の傾向分析も同時に実施。
 アーンドバリューの指標を用いたバリアンス分析を行う。
11)スコープ管理
 仕様確定・変更管理。スコープのバリアンスは単独で捉える。
12)コミュニケーション管理
 交渉・チームビルディング
13)リスク管理
14)契約履行管理

Unit4)終結フェーズ
15)プロジェクト終結のコントロール

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■本来リソース・プランニングは、教科書レベルの「きれいごと」
 では済まされない社内政治的側面を孕んでいる

・「お仕着せのチーム」ではじまるプロジェクトの場合、
 無理・矛盾を組織に対して継続的に訴えることが必要
・要求リソースリストをまとめる
・リソース・マトリックス上でリソースの責任体制を明確にする
・特定個人への負荷の過重を避けるため
 リソース・ヒストグラムなどを活用する

■見積もりのタイプ

<トップダウン型>一般的には精度は低い。概要見積りとして。
・類似案件比較法
・パラメトリック(係数)法のトップダウン型

<ボトムアップ型>一般的には精度は高い。
・エンジニアリング(積算)法
・ベンダービッズ(ベンダー見積もり統合)

■見積もりの落とし穴

・ファンクションポイント、COCOMOなどの見積もり手法が利用
 されてきているが、システムの特殊性によって精度にバラつきが
 あることに注意。

・統計的に係数法が有効であるためには、データとなる
 類似タイプのプロジェクトが約30程度必要。
 さらに、30程度の類似プロジェクト実施経験が自社にあれば
 FP法を活用しなくても大体の工数算出は経験をベースに
 引き出せるという矛盾

■スケジューリング

・ガントチャートとネットワークダイアグラム

■リファイニング

・プランを洗練させ、より実効性のあるプランへと最適化
 していく過程

・リファイニングの代表例が、
 スケジュールの短縮とリソースの調整

・スケジュールを短縮する手法

 a)スコープを縮小しプロジェクト期間を短縮
 b)中間成果物の完成基準を落とし、作業期間を短縮(手抜きをする)
 c)ファースト・トラッキング
  作業の依存関係を変更し、複数の作業を並行することで
  プロジェクト期間を短縮
  d)クラッシング
  クリティカル・パス上のリソース手動の作業にリソースを
  追加投入し作業時間を短縮する。
  時間とコストのトレードオフが重要なポイント。
  クラッシングを実施する前に、クラッシングにより
  発生する追加コストを見積る

 a)b)は顧客の承認を得て初めて可能。c)d)はプロジェクト・
 マネジャーのコントロール範囲内で実施可能

■契約によるリスク分散

■契約履行管理

・プロシージャーズ・マニュアルを用いる
・契約書を補足するプロジェクトのルールブック

■ベースライニング

プロジェクト・マネジメントにゼロ・バリアンスは
 ありえないので、許容幅を持たせる

 例)スケジュール面では、「5%の遅延までは許容する」
   コスト面で「3%までの超過は許容する」
   等

・悪いニュースを報告できる雰囲気づくり
・進捗状況を追跡するインタビュー
・現況を検証するインタビュー

■アクション・リストで手綱を手放さない

■アーンドバリュー(EVM)によるバリアンス分析

・EVMの実務面での問題点

 成果物が目で見えない種類である場合の達成率を
 正確に評価するのは困難。
 例えば、測定精度に主観が入ってしまうプログラム作成作業の
 達成率などは、個人差が大きく出てしまう。

 予算上のコスト項目とWBSのワークパッケージ項目が異なる
 のも、適用を難しくしている。

 EVMは、WBSのワークパッケージ単位で予算、実績コスト、
 達成率を見るのが前提である。

 もしその前提を外し、WBSのワークパッケージレベルで進捗を
 管理し、予算の消費をコスト項目上で行う場合、どのワーク
 パッケージがどのコスト項目に対応するのか定かでないため
 正しく評価できない。

■「顧客の期待をコントロールする」
 そのためには「顧客に対するトーンの設定」が必要

■プロジェクト・マネジメントのスキルの中で一番重要なのは
 「交渉力」

■見積もり

「ツケは力関係で弱いほうにしわ寄せされる」
 というのがプロジェクト・マネジメントの鉄則。

・後で交渉材料に使えるという「読み」で仕様上の不確定要素に
 対する解釈を後回しにしては、交渉の成功率は低い

■予想される変更の予算化

 初期段階で変更のための予算を別枠で確保してもらう。
 通常は、変更予算額をプロジェクト予算全体の5〜30%程度に
 設定し、顧客を説得する

■ゼロサム交渉と問題解決型(Win-Win)交渉

・交渉のプランニングシート
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600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス

600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス
上阪 徹 (著)






この本はマザーズ上場に合わせた宣伝目的、というコメント記事を
よく目にするが、そうであるとしても、素晴らしい内容でした。

一貫した(頑固なまでに)理念。
ユーザーを理解し、徹底的に改善を続ける姿勢。
また、それを実現する技術。

「顧客のために」という当たり前に語られることの大切さを、
改めて実感しました。

以下、メモ。


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■創業者であり代表執行役の佐野氏が自らプログラムを書き
 注文から集計、配送指示まで出せる仕組みを作っていた

■当初はクックパッドの事業では食べていけず、
 受託開発もしていたが、ある日受託は一切やめてしまう

■創業期以来、一度もサイトの宣伝広告を打ったことがない

■機能を大幅に減らす

・2006年のリニューアル時に人気コンテンツを廃止し、
 機能を2つに絞り込んだ

■ただ入力するだけではダメ。楽しく入力できないと。

・入力をいかに簡単にするかに強烈なこだわり

■説明が必要なサービスは、レベルが低い

・優れたドアノブは、押せばいいか引けばいいかがすぐわかる
・優れたモノは、無言語

■小さなほころびを絶対に放置しない

・”割れ窓理論”という有名な論文。
 ジュリアーニ市長時代のニューヨークで実践。
 治安がいい街でも、割れた窓一つを放置しておくだけで
 犯罪に繋がっていく芽になってしまう。

■13文字を超えると可読性が下がり、24文字を超えると更に下がる

・アイトラッカーも使用

■アクセスログを徹底的に解析

・「ウォークスルー」ユーザーの辿った導線を自動的に再現する
 プログラムを自社で開発

■ユーザーの印刷率は欲しい情報が手に入ったかのバロメーター

■エンジニアは現在6名

■レスポンスタイムの短縮を常に考える

■PDCAを圧倒的にしやすくするのが「Ruby」だった

・思想が強固な一方で、手法は柔軟な言語。
 本当にモノをつくるための言語。開発していて楽しい。

■基本的にはどう処理を分散させるか

・ディスクアクセスは書き込みに比べて読み込みの方が
 何倍も多いので、読込先を複数用意して負荷分散。
 しかし、ディスクアクセスはシステムの中でも特に遅い箇所
 なので、ディスクとメモリーをうまく使い分け、
 なるべくディスクにはアクセスできないようにする

■当初は月額500円の有料サービスとしてスタート。
 3ヶ月経ったところで有料サービスとしての継続を断念し、
 無料化。食い扶持を稼ぐ為に受託開発を行う。

■事例がなければ、広告主は成果をイメージしにくい。
 最初の1年間はとにかく事例つくり。
 と同時に、広告代理店における認知を上げていく。

 広告主と直取引するにしても、代理店から名前が出てくる
 ことが重要。あの代理店も、この代理店も提案してくる
 このサイトは何なんだろう、と3社くらいから名が挙がると
 広告主も気になり始める。

■広告は必要情報。
 なかなか売れなかった商品を広告掲載したところ、
 ユーザーから「(こんなにいい商品を教えてくれて)ありがとう」
 の声。

■ディズニーランドみたいな場所がインターネット内に作れたら。
 いつもそう考えている。

・あれほど訪れた人が満足するテーマパークだが、
 個々のアトラクションやレストランにはスポンサーがついている。
 しかし、ユーザーはそれを自然に受け止めている。

■社内制度:残業しないほうがトクをする「ノー残業手当」

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