

インタラクティブ・エージェンシーといわれるIT関連企業ではたらく、プロデューサーのブログ。
IT・インタラクティブ関連のニュースや、日々の考えなどを書いています。
今日、「面白い本があるので読んでみて下さい」と言われ、お借りした本。
「最強マフィアの仕事術」というタイトルから強烈で、本屋で目にして、
少し立ち読みしたことはあったが、買ってはいなかった。
読み始めると面白く、30分ほどで読めた。
著者のマイケル・フランゼーゼは、”暗黒街の顔役、アル・カポネの再来”と呼ばれたイタリア系アメリカンマフィアである。
ニューヨーク5大ファミリーの1つ、コロンボファミリーに所属、複数のビジネスで70〜80年代の絶頂期には週に数百万ドルを稼ぎ、
雑誌「フォーチュン」の特集「マフィア幹部トップ50」で上位ランクイン、”最年少マフィア幹部”(当時35歳)として有名になる。
しかし80年代半ばに複数の恐喝罪の罪を認め、懲役10年の判決を受け、ファミリーと縁を切る。
現在は、マフィア時代の体験を人々の役に立てることを使命に、講演活動を行っている。
本書は、そんな元トップマフィアが成功ルールを、
マフィア時代のエピソードを散りばめながら、マキャベリとソロモンの言葉を
引用して語られている。
現役時代は、マキャベリの教えにならいその当時の彼が考えていた”成功”を掴んだが、
マキャベリの教えにならったもののパターンとして、窮地に落ち(逮捕)、
塀の中で出会ったソロモンの教えに出会い、マフィアとは縁を切って本当の成功を手にしたと
している。
自分にとっての成功を考えるべき、ビジネスに成功の秘訣はない、努力が必要、
会議や交渉のポイント・・など、どれも他の本で読んできた内容が多い。
しかし、それらの本と変わっているのは、著者のバックグランドと
マキャベリとソロモンを引き合いに出している点だ。
マキャベリの「君主論」は読んでいるが、正直実生活、実ビジネスへの応用は性に合わず、
あくまで”これを読んで、このような考えを持っている者が周りにいる”という認識の為に
読んだ。
ソロモンについては、旧約聖書を読んだことはあるが、
その「箴言」というものについては、きちんと読んだり人生の成功を考えるという
視点で見たことがなかったので、なかなか興味深かった。
以下、メモ。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
■マイケルの父ソニー・フランゼーゼも、マフィア(アンダーボス *後述)
■ビジネス書に登場する成功者(莫大な資産を築いた実業家)の多くには共通点がある。
親から莫大な資産を譲り受けているということ。
そんな「成功の秘訣」を鵜呑みにはできない。
ドナルド・トランプ、石油王J・ポール・ゲッティ、ハワード・ヒューズ、ビル・ゲイツ・・
皆、親や祖父母が資産家で事業や資産を受け継いでいる。
■目標を定め、計画を立てろ。これが基本中の基本だ。
・きちんとした計画を立てるためには”計画書を書くこと”
・計画にないものに手を出さず、立てた計画そのものに問題がある場合を除き、
計画に沿った行動を取るべきだ。
■早起きしてハードに働け。パジャマ姿で殺されるな。
・マフィアで大成するものは、夜明けとともに行動を起こす。
しかしメイドマンの多くは夜型を好む。だから大成できるのはごく一部。
マイケルも何時に床についても、ニワトリが鳴くとともに起きて仕事をし、
1日15〜18時間仕事をした。
・成功者に共通することはハードワーク、つまり”努力”。
しかし、「努力すること」に夢中になってはいけない。
■自分のすべきことに集中しろ
・優秀なメイドマンは物事をシンプルに考える、そしてさっさと要点に入る。
■信頼できる人物を選んで、仲間に引き込め
・選ぶ際のポイント
1)誠実であるかどうか
2)有能であるかどうか
3)頼りになるかどうか
■客観的にアドバイスできる”相談役”を身近におけ
■マキャベリの教えはマフィアの思想そのものだ
・イタリア人である、ということもあるし、
思想がマフィアにとって理想的。
「君主論」はマフィアにとってのバイブル。
・「誰のどんな行動も、結果によって判断される」
・「残酷で非情な行為を繰り返さないために、一撃でしとめるべし」
・「軽い傷を負わせただけでは仕返しされる恐れがある。
攻撃するときは、復習される心配がなくなるまで徹底して攻めるべきだ。」
・「ダメージは一撃で与えよ。相手の苦しみは減り、反撃もされにくい。
恩恵は少しづつ与えよ。そうすれば、ありがたみを長く味あわせられる。」
・「愛されるよりも恐れられるほうが安全である。」
・「領土を獲得したいなら、周辺の国を味方につけ、敵を特定するべし」
・「君主に、戦う以外の目的は不要である。」
■マキャベリの教えは”諸刃の剣”だ
・マキャベリの教えに従ってビジネスを展開し成功したマフィアは、
まず間違いなく失脚する。
■人々を恐怖心で統制し続けることはできない
・「君主論」を読んだ企業幹部や経営者がとくに重用するのが次の一節。
「ダメージ(=値上げやリストラ)は一撃で与えよ。
相手の苦しみは減り、反撃もされにくい。
恩恵(=昇級、ボーナス、その他の特典)は少しずつ与えよ。
そうすれば、ありがたみを長く味あわせられる。」
・フォードがアメリカ有数の大企業になれたのは、ヘンリー・フォードが
マキャベリの教えに従ったからだと言われている。
マフィアがアメリカで一世紀近く生き延びて栄華を極めることができたのも、
マキャベリが教える権力の獲得と維持の仕方を忠実に守ってきたことが大きい。
・マキャベリの教えは、人々に恐怖心を植え付けて忠誠を誓わせる。
しかし、恐怖心で統率された組織は、いつか必ず内部から崩壊する。
策略、不信、裏切りが生まれる状況をつくるからだ。
■欲にかられると本当に大切なものが見えなくなる
・マキャベリの教えに従って、「手段を選ばずより多くを得て維持すること」を
ビジネスの本質と考えると、本当に大切なものや最優先すべきことを
見失ってしまう。
■本当の成功を手にしたいなら、ソロモンの教えに学べ
・旧約聖書の「箴言(しんげん)」
古代イスラエルの王ソロモンの格言を集めたものだが、
ビジネス、特に不景気なときの経営に関する教訓の宝庫。
・「箴言」の冒頭には、同書を記す目的が次のように書かれている
「知恵と規律を身につけるため、
見識の高い言葉を理解する力をつけるため、
規律ある堅実な人生を手に入れるため、
正しいことを公正かつ公平に行うため」
■ソロモンの教えは、マキャベリの教えの数々を真っ向から否定している
・マキャベリは、道徳を説いても現実には役に立たないと考えていた。
道徳を守らない人は現実に大勢いるのだから、統治者が「善人」であり続けていては
権力が弱まるばかりだ、というのが彼の主張。
君主に必要なのは道徳を守ることではなく、状況に応じて「善を捨てられるようになること」、
すなわち時に不誠実になること。
必要とあれば、嘘をつく、盗む、騙すなど何をしても、そうせざるを得ない状況だったと
その行為を正当化すればよい。
・一方、ソロモンは、事業の成功には誠実さ、高潔さ、勤勉がカギだと唱える。
ソロモンは、個人や会社の強固な土台となる考え方を教えてくれる。
■おしゃべりな奴は大物になれない
・「愚か者の唇は口論を招き、その口は暴力を招く」
「自分の唇を警戒するものは自らの命を守る。軽卒に口を開く者は身を滅ぼす。」
ソロモン
・交渉では、先に相手に情報を喋らせて情報を集めろ
「話を聞かないうちに答えることは、無知の証であり恥としれ」
■マフィア流の会議術「シットダウン」から交渉の極意を学べ
・マフィアの世界での正式な話合いの場
シットダウン(座って話そう)
・相手から望む言葉を引き出せば交渉は成功
・交渉に必要なのは準備、そして経験
・マフィア流交渉の極意
1)銃に弾を込めておけ
交渉前の準備
2)口ではなく頭を先に使え
相手の好きに喋らせておけば、つけ込む隙が生まれる
3)自分のエゴを捨てよ。相手のエゴを利用せよ
面と向かって教えをこう姿勢を見せると、「こいつは格下だ」と思って
気を許すので、油断させておいて機を見て斬り掛かる。
4)弱気になっているときほど、弱気を見せるな
口数を少なく
5)感情を持ち込むな。常に相手に敬意を払え。
メイドマンは無礼な態度を絶対に許さない。だから決して相手を侮辱しない。
■失敗はいつか成功するためのものだ
何度失敗しても健康ならまた挑戦できる
■法律を守れ、税金はきちんと払え、仕事は誠実にしろ。
■マキャベリかソロモンか、あなた自身の師を選べ
・多くの仲間がいなくなった、それはなぜか?
「不当に利益を求める者の末路は決まっている。
彼らの命は必ず奪われる。」
ソロモン
・マキャベリとソロモン、両方を選ぶことはできない。
マキャベリは「目的が手段を正当化する」という考え方のもと、
事業を大きくするためなら何をしても許されるとしている。
つまり、ソロモンの教えに従うのも、人の道を外れるのも自由だ。
ソロモンは、成功には自分の価値観や誠実さが何よりも大切だと説き、
それらを曲げることを決して許さない。
つまり、両者の教えにならおうとすれば、結局はマキャベリの教えにならうことに
なるのだ。
■本当の成功とは?
自分のとっての成功を定義せよ
・カネを稼ぐことに夢中になっている間は、人生を楽しむ機会が奪われる
成功=金持ちになることという固定観念から自由になれたら、
もっともっと収入を増やさなければならないという重圧から解放される。
家族、友人、日々楽しいと思えるかどうか。
------------------------------------------------------------------------------------------------------
<本書に出てくるマフィア用語>
・メイドマン
マフィアの正式な構成員
・ドン
No.1
・アンダーボス
No.2、暴力団の若頭に相当
・コンシリエーレ
顧問、相談役
・カポ
・ソルジャー
#ファミリーに入れるのは同郷の者だけ
iPhoneの定番アプリにして、世界200万ユーザーの人気サービス「Evernote」が
ついに日本語対応! パソコンのメモが自動的にiPhoneに、iPhoneで撮影した写真が
自動的にパソコンに。
デバイスを超えて“同期”する、紙にはできない新しいメモのスタイルを体験して
みてください。本書ではWindows/iPhoneに対応したEvernoteの基本的な使い方や
上手な情報整理術に始まり、Web ページを取り込む、iPhoneできれいに名刺を
撮影する、紙の資料をスキャンする、デジタルカメラの写真を自動的に取り込む
など、多彩な活用方法を紹介。あなたの知的生産能力アップを応援します。
<内容(「BOOK」データベースより)>
「神はサイコロ遊びをしない」と、かつてアインシュタインは
述べた。
それに対し、量子論の創始者ハイゼンベルグは、サイコロ遊びが
好きな神を受け入れればよいと反論した。
もともと近代科学は、自然を研究することを、神の意図を理解し、
神の存在証明をするための作業と考えてきたが、時代を重ねるに
つれ、皮肉にも神の不在を導き出すことになっていく。
神の御技と思われていた現象が、物質の運動で説明可能となった
のだ。
しかし、決定論でありながら結果が予測できないカオスなど、
その後も神は姿を変えて復活と消滅を繰り返し、物理学は
発展し続けている。
神の姿の変容という新しい切り口から、自然観・宇宙像の現在
までの変遷をたどる、刺激的でわかりやすい物理学入門。